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インターネットでは通用しないクレーム対応の5つの非常識
2007年05月02日
アエラ07年3月12日号・ブログ炎上からの悲惨(全文)
『灯油ぶちまき火をつければ』と書き込んだ会社員が逮捕された。
1億総ブロガー時代、『ネット被害』にどう身構えるか。
家族問題に詳しい評論家の池内ひろ美さん(45)を脅し、講演会を中止させたとして、東京都内の会社員(45)が脅迫と威力業務妨害の容疑で逮捕された。
「教室に灯油をぷちまき 火をつければ あっさり終了」
会社員は昨年12月、2ちゃんねるにそう書き込んでいた。
きっかけは、「期間工」と題した昨年10月の池内さんのブログ。居酒屋で隣り合わせた若い期間従業員たちとの会話を紹介しつつ、向上心が低いと苦言を呈した。これが「職業差別だ」と大反響。1000件を超える批判コメントが殺到し、ネット用語でいう「炎上」となった。
人権救済5年で7倍に
池内さんはこの時、事実無根の中傷や差別用語があるコメントを削除しようとして、誤ってブログ全体を消してしまう。これが「逃走だ」と批判され、火に油を注ぐかたちになった。ほどなく「池内ひろ美一家皆殺し希望」と題したサイトが出現し、池内さんと夫(49)は目自署に相談。自宅周辺が巡回警備され、隠し撮りをしていた私大生(37)が事情聴取された。
法務省のまとめでは、ネットを悪用した人権侵犯に対する救済手続き(悪質な記述の削除など)は、2005年は272件。5年間で約7倍に急増している。だからか、池内さんの訴えにも警察は「ネットではよくある」と、当初は積極的でなかったらしい。
風向きが変わるのは、家族が標的とされてから。英国留学中の一人娘(18)について「援助交際で逮捕歴」「義父に犯される」などのデマがあふれ、ついには「娘は自殺」と、首を吊ったイラストまで登場。正月に帰国した娘は避難し、自宅に帰れなかった。
もはや職業差別論争は吹き飛んでいた。ネットニュース会社「J−CAST」は4本の関連記事を発信し、これに2ちゃんねるが反応する相乗効果もみられたが、そのJ−CASTも「J粕のネタ元は2ちゃんばかり」「池内に取材ぐらいしろよ」と、当の2ちゃんねるから揶揄される始末。池内さんの出演が決まっていたラジオ番組は、抗議めいたメール7通が届いただけで出演依頼を取り消した。
資料5箱を警察へ
こうした経緯を池内さんは逐次、警察に報告していく。ネットの書き込みはすべて印刷。積み上げるとA4用紙で2メートルになり、投ボール5箱にまとめて提出した。こうした粘り強さの上で、放火をにおわせる脅迫が書き込まれるに至って被害届が受理された。
逮捕のきっかけは、2ちゃんねる管理人の西村博之氏(30)が「IPアドレス」という投稿者情報を警察に開示したからだ。投稿者情報は、一般ユーザーが求めても、明白な権利侵害がなければ開示されない「プロバイダー責任制限法」がある。警察は令状による強制捜査ができるほか、任意照会で協力する管理者も少なくない。
騒動は多くの悲劇を残した。ブログ時代の責重な「負の教訓」だ。
ネット専門のクレームコンサルタント新谷貴司さん(36)によると、炎上への対処法は(1)ブログ本文の削除や書き換えは逆効果(2)批判コメントは残すが、追加の書き込みは中止(3)丁寧な説明をブログ本文に追加する−−などだ。
とはいえ、現実には、すぐに発言を撤回して謝罪するほうが「早期鎮火」しやすいようだ。
「ブログは『どんな人間が読むかわからない』『自分の意見に賛成する人ばかりではない』という現実を常に念頭に置く必要がある」
編集部伊藤隆太郎
池内さんはこの時、事実無根の中傷や差別用語があるコメントを削除しようとして、誤ってブログ全体を消してしまう。これが「逃走だ」と批判され、火に油を注ぐかたちになった。ほどなく「池内ひろ美一家皆殺し希望」と題したサイトが出現し、池内さんと夫(49)は目自署に相談。自宅周辺が巡回警備され、隠し撮りをしていた私大生(37)が事情聴取された。
法務省のまとめでは、ネットを悪用した人権侵犯に対する救済手続き(悪質な記述の削除など)は、2005年は272件。5年間で約7倍に急増している。だからか、池内さんの訴えにも警察は「ネットではよくある」と、当初は積極的でなかったらしい。
風向きが変わるのは、家族が標的とされてから。英国留学中の一人娘(18)について「援助交際で逮捕歴」「義父に犯される」などのデマがあふれ、ついには「娘は自殺」と、首を吊ったイラストまで登場。正月に帰国した娘は避難し、自宅に帰れなかった。
もはや職業差別論争は吹き飛んでいた。ネットニュース会社「J−CAST」は4本の関連記事を発信し、これに2ちゃんねるが反応する相乗効果もみられたが、そのJ−CASTも「J粕のネタ元は2ちゃんばかり」「池内に取材ぐらいしろよ」と、当の2ちゃんねるから揶揄される始末。池内さんの出演が決まっていたラジオ番組は、抗議めいたメール7通が届いただけで出演依頼を取り消した。
資料5箱を警察へ
こうした経緯を池内さんは逐次、警察に報告していく。ネットの書き込みはすべて印刷。積み上げるとA4用紙で2メートルになり、投ボール5箱にまとめて提出した。こうした粘り強さの上で、放火をにおわせる脅迫が書き込まれるに至って被害届が受理された。
逮捕のきっかけは、2ちゃんねる管理人の西村博之氏(30)が「IPアドレス」という投稿者情報を警察に開示したからだ。投稿者情報は、一般ユーザーが求めても、明白な権利侵害がなければ開示されない「プロバイダー責任制限法」がある。警察は令状による強制捜査ができるほか、任意照会で協力する管理者も少なくない。
騒動は多くの悲劇を残した。ブログ時代の責重な「負の教訓」だ。
ネット専門のクレームコンサルタント新谷貴司さん(36)によると、炎上への対処法は(1)ブログ本文の削除や書き換えは逆効果(2)批判コメントは残すが、追加の書き込みは中止(3)丁寧な説明をブログ本文に追加する−−などだ。
とはいえ、現実には、すぐに発言を撤回して謝罪するほうが「早期鎮火」しやすいようだ。
「ブログは『どんな人間が読むかわからない』『自分の意見に賛成する人ばかりではない』という現実を常に念頭に置く必要がある」
編集部伊藤隆太郎
Posted by cpiblog00129 at 19:03
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